何もない故に何処へでもゆける



もう一刻も早い地球の滅亡を願うくらいにはやさぐれていたので、先日一瞬の隙をついて一瞬だけ京都行って来た。
どうしても観たい芝居が京都公演のみだったっていうね、いつもの感じなんだけどね。
ちょうど磁器作家の友人との二人展の期間とまる被りだったのだけど、公演の千穐楽が休廊日だっ!と言うことでもう運命。
行く。
直前まで本当に体調も精神状態もギリギリアウトな感じだったんだけど、行けば救われる気がしてならなかったし、行かないときっと本当に救われない。


品川から京都まで新幹線で2時間ちょっと。
あっという間で旅って感じも味わえなさそうな。
移動で疲れるのは時間にじゃなくて距離にだよ、と言った人がいたな。
本をパラパラと捲り、車窓を流れる景色を眺める時間と、進みゆく距離に刺々しくなっていた心が少しずつ緩んでいく感覚。
手放したくて、でも手放せないものもそのスピードで振り落としていく。
長い距離も一瞬で進んでいく、滞在時間もほんの少しの旅と呼ぶにはあまりにもあっという間のものだったけど、重たかった心もふわりと旅に出れたから時には日常から離れる事も大事だなとしみじみと思ったり。


京都では『また愛か』京都芸術センターは元々は小学校だった建物で古き良き建築物、郷愁を誘う素敵なところだった。
いつもは東京で会ってる観劇繋がりの京都の友人にも会えたしいつも東京で会ってる東京の友人にも。
栄養ドリンク用意して待っててくれる友人の優しさ。
二幕の悲劇、の幕間に声をかけてくれたいつも仲良くしてくれる大好きな東京の役者さん。
兎に角もうそこかしこに、そう、本当に『また愛か』愛ばっかりだよ。
観終わった後は席から立ち上がれないんじゃないかという位観る側も体力のいる芝居でもう疲れはてたーと思っていたけど
観劇後暫くしてから、お腹の底から沸々と沸き上がるような力があって、面会でもまたたくさんのパワーを貰ってしまった。
御守り大切に身に付けくれていたのが本当に嬉しかった。


劇場から帰りの駅までの道のり、その東京の役者さんと共に。
可愛らしく本当に素敵な芝居をする人で、私の個展にも足を運んでくれたり
気づいたらもう本当に長い間彼女の芝居も観ていて、そんな彼女と京都を歩く不思議な感覚。
私はまた力を貰ってしまったよ。
素敵な話も出来たと思う。


京都らしい所に行くことも、何か美味しいものを食べることもなかったけど、束の間東京を離れて手にしたものは本当に暖かく大切なものばかりでした。
『また愛か』観れて本当に幸せでした。
また、愛かよって思うくらい、もううんざりするほどまた愛か。