悲しみを集めて眺める



6月楽しみにしていた1ヶ月近くの期間に及ぶ演劇のフェスの最後にあまりにも悲しい事が起きた。
それはもう完全に観客への裏切り行為だったと思うし、ただただ契約不履行だったし、それに対する制作の態度の酷さ、事の深刻さを理解出来ない代表に対するあまりにも深い悲しみと悔しさとそれでも諦めきれない自分の情けなさだった。
そして、何より大きくあの時からのし掛かってくるのは、届けようという命懸けの芝居を想いを全く受けとる事が出来ない状態で客席に座り続けてしまった事への後悔だった。


あれからずっと、なんであんなことになってしまったのかという思いに捕らわれている。
その千穐楽の2日位前までは毎日楽しくて、フェスが終わってしまう事が寂しくて、友人たちと、随分浮かれていたと思う。
そんな自分たちがアホみたいだねって、千穐楽の日こんな気持ちになるはずじゃなかったのにねって、本当に何も一つも楽しめなかった。
そんな事ってあるんだね。
こんなに割りきれないものなのかと。
一日折れた心を立て直す事の大変さに直面していて、でもどうしても前を向くことが出来なくて、かといって劇場を後にする事も出来なくて。。


大好きでずっと応援してきた劇団で、私はこんな気持ちになるために今まで見続けていた訳じゃない!と。
もう、悔しくて作品と関係ないところで舞台を観ながら泣いたり、舞台を直視する事が出来なかったりしていて、もちろんそれは俳優側にだって伝わってしまう訳で。。。
劇団結成10周年を祝う最高な一日になるはずだったのに、幸せな空間、時間になるはずだったのに、劇団員と言葉を交わすこともなく、一つ公演が終わる度に顔を伏せ足早に劇場を後にするばかりで、劇場を出ればなんでこんな事にと友人らと嘆きあい、一体なんのために此処にいるのかわからなく、それでも舞台に立つ俳優たちがその場の最低な空気を感じながらも必死で作品を届けようとしている事はわかってしまって、演目を重ね時間がたつにつれ苦しさは増すばかりだった。
今思い返してみても本当に最低で最悪な一日だった。


2ヶ月あまりの時間がたってなぜ今頃こんな事を書くのかといったら、あの日からずっと友人たちとは言葉を交わし続け、なんとかしたいともがき、時にはもう投げ出して、手放してしまいたいと嘆き続けていたのだけどれど、先日遂にというか漸くというか、多分私が一番向き合わなければならない人と対峙する事になったから。
そして、会って話してさらに今ここで吐き出す事で少しでもこの苦しみから逃れたいという気持ち。
どんなに言葉を尽くして話しても消し去る事の出来ない気持ちからただただ私が楽になる為に。


それは先日の某公演の面会。
一度は面会受付てもらって近くまでいったのに、それでももう苦しくて、会う前から涙が溢れどてうしようもなく、どうしても会える気がしなくて逃げるように劇場を後にした。
公演を観るまでは、舞台を観ればこの辛さもわだかまりのようなモノもふわっとほどけてくれるのではないかと楽観的に思っていた部分もあって、でも全くそうはならなくて本当に途方に暮れた。
もうやっぱり二度と会えないのかも、もうそれも仕方のない事なのかもしれないと思ったりもしていて、でもやっぱりこのままで良いわけがないという思いもあって、気持ちを兎に角奮い立たせてもう一度会いに行った。
冷静に話をすることはできなかったと思う。
どんな顔をして会えばいいのか、息苦しさで上手く声も出せないような状態で、でもあの日をなかった事には出来るわけがないなかで、お互いにどうやってあの日の話をすればいいのか戸惑っていた。
それでもあの日、そしてあの日からお互いがどんな気持ちでいたのかを話し、これからの事を話し、何度も思いだされる記憶に涙が溢れたりしながら漸く少しだけ前を見つめ、そっと一歩を踏みだす事が出来たと思う。


でもその日からまた感情が引き戻されて苦しくて、またそれを共有する為に友人とそれぞれが別の観劇をした後の少しの時間でもと落ち合い話をしたりしている。
傍から観ればいつまでもそんな事を引きずってと思うような事かもしれない、たかが趣味の観劇ではないかと思うかもしれない、私もそう思う気持ちがある。
けれどやっぱりどうにも割り切れない事はあるし、趣味とはいえ生活の中でとても大きな存在であるわけで、おざなりにする事は私にはできなかった。
今私の中のマイナスな感情の多くは劇団運営を大きく担う制作と代表に向かっていて、後はあの日の演目全てにこびりついてしまった後悔やあの日の感情を引き戻す可能性に対する恐怖心。
これからどういう心持ちで観劇に向かうか、まだまだ割り切れない気持ちで日々考えている。
でも確かに一歩を踏み出したし共有できるみんながいるので、これからもきっとなんとかなる、なってくれ!という気持ちでこのはなしはおしまい。
ここで吐き出して、更に少しずつでも歩を進めていきたい。
良い方向に。。。